
V・フランクル博士原案になるPILテストは、医療・保健、福祉や教育、さらにはメンタルヘルス活動分野で着実に利用が広まっている。とくに医療分野では、健保適用を機に、精神科・心療内科に限らず難病やリハビリ部門からターミナルケアまで各科での使用が始まっている。
ただ、PILテスト日本版の最大の特徴であるPart-B・C 部分の数量化、すなわち文章完成法や自由記述の分析法は、医師や臨床心理士などの資格に加え、心理テスト技法に習熟していることを前提に、かなり高度な能力が要求される。
PIL研究会は、PILテスト刊行後、3回にわたってセミナーを開催し、Part-B・C の分析法を伝授してきた。しかし、セミナーに参加することが困難な臨床家・研究者等から、分析法を独習できる教材の開発が熱望されていた。
PIL研究会がセミナーの経験をふまえ完成した画期的なハンドブックが本書である。詳細な例文を含む評定基準を公開し、自習用のケースを提示するとともに、すでに臨床で応用している各分野の実践報告を集大成したものである。
第1版では判定基準に若干の問題が残っていたが、10年の歳月をかけてデータを収集し、年齢段階を統一した新判定基準に基づいて、今回、
改訂版を刊行した。なお、本書は掲載事例のプライバシー保護の観点から、専門家主体に販売されている。
主要目次
第1分冊(152頁、税抜定価4,000円)
第T部 PILテストの全体像と分析法
第1章 PILテストの理論的背景
第2章 PILテスト日本版の全体像
第3章 PILテストの信頼性・妥当性
第4章 PILテスト分析の基本的枠組み
第5章 PILテスト分析の実際
第6章 PILテスト実施上の留意点
付録1 統計資料および補足説明
付録2 PILテスト関係文献
第2分冊(224頁、税抜定価5,000円)
第T部 PILテストの評定と解釈の実例
評定・解釈のしやすい場合
AとB・Cの判定に食い違いのみられる場合
第U部 PILテストの臨床・研究への適用
医療・保健/産業保健/教育/矯正/福 祉分野
からの9報告
第3分冊(144頁、税抜定価4,000円)
第・部 PILテストワークブック
評定のワーク 12例
解釈中心のワーク 4例
第4分冊(60頁、税抜定価3,000円)
別巻 PIL-B・C分析の評定基準
7段階評定のための詳細な例文と基準
監修・編集者
佐藤文子(岩手大学名誉教授)
田中弘子(新潟大学名誉教授)
齋藤俊一(新潟大学名誉教授)
山口 浩(岩手大学名誉教授)
千葉征慶(A級ロゴセラピスト・臨床心理士)