第1巻 フランクルの生涯とロゴセラピー
(A5判、144頁、税込定価1,600円)
ロゴセラピーの考え方はナチスの強制収容所で生まれたものではない。幼少期からの家庭教育とフロイト、アドラーとの格闘、何よりもフランクルの個性が生み出したものであるが、強制収容所の経験が確信に至らせたことは言うまでもない。
第1巻では、ロゴセラピーが生まれるまでのフランクルの生涯と、次元的存在論などロゴセラピーの基本的考え方をていねいに説明する。全巻の導入部として、初学者だけでなく、臨床家・研究者も何度でも立ち帰って、自分の経験を振り返るよすがとしていただきたい。
主要目次
第1部 フランクルの生涯
第2部 ロゴセラピーの基本
第2巻 危機の克服と予防
(A5判、136頁、税込定価1,600円)
人間にとって危機とは何か。それは必ずしも戦争とか災害、事故や病気に遭遇した場合ではない。本来の自分を見失い、習慣や状況に流されてしまっていることではないのか。こうした危機を未然に防ぎ、自らの力で危機を抜け出すためにこそ、ロゴセラピーが求められている。
主要目次
1 「不幸な運命の状況」と「危機」
2 飛翔しない鷹
3 飛翔のための援助
4 病床のメンタルケア
5 ロゴセラピーの精神保健論(病気予防)
6 危機の予防
第3巻 精神の反抗力と運命 /喪のロゴセラピー
(A5判、160頁、税込定価1,600円)
苦難、罪、死という避けがたい悲劇にも人間は、精神の反抗力で立ち向かうことができる。 極限状況でフランクルが見出した態度価値以外にも、態度変換という方法で人生の充実を目ざすことができる。誰かを弔う悲しみの時期も、ロゴセラピーによって大きな励ましと援助を受けることが可能だ。
主要目次
第1部 悲劇のトリアスと精神の反抗力
1 悲劇のトリアス
2 生活状況と態度
3 精神の反抗力
4 自殺について
第2部 喪のロゴセラピー
1 「喪」という道のり
2 喪の中での気持の整
第4巻 老いのロゴセラピー (A5判、148頁、税込定価1,600円)
フランクルの「過去への楽観主義」と態度価値の考え方がもっとも生きてくるのは、老いと死の問題ではないだろうか。
ー自分の人生で何かうまく行かなかったことや、失敗したことがあったとしても、自分が意味にかなった行動をとらなかったということを認めるだけで、精神的に成長することもあるのです。最期の呼吸の時にさえ、今までの間違いをより価値あるほうへ、意味あるほうへと転換させることができるのです。(本文より)
主要目次
I 老いの意味
1 人生をどのように見るか
2 中年危機とその克服
3 人生の流れ
4 充実した老年の過ごし方
5 介護の意味
II 死の意味
1 死についての否定的な観点
2 死についての肯定的な観点
3 最期の飛翔
「
第5巻 教育のロゴセラピー
(A5判、152頁、税込定価1,600円)
家庭教育をおこなう両親も、学校教育をおこなう教師も、知識や技術の習得に力を入れ、いちばん大事な人間として生きていく姿勢を教えることに力点を置いていない。ロゴセラピーの教育では、生きていく意味と責任を教える。IQで測れないその子の個性を伸ばしていくには、子どもに対して「それでもイエスと言う」姿勢と、教育者と両親の生き方そのものの変革が求められている。
主要目次
1 意味を軸とする教育の理念
2 意味教育の実践
3 意味教育のトレーニング
4 意味を軸とする家庭教育
5 教育者の基本的態度─それでも子どもにイエスと言う
第6巻 愛と家族のロゴセラピー
(A5判、152頁、税込定価1,600円)
本当の愛とは、肉体的魅力や社会的地位、経済的安定などではなく、相手の人格そのものへと、まっすぐ向かっている。
しかし愛の共同体と言われる家族にも、日常の中でさまざまな問題が生じる。夫婦・家族セラピーの基本は、「自己超越」によって相手ではなく、まず自分に何ができるかを考えさせるコペルニクス的転回を導くことにある。
今まであまり語られることのなかったロゴセラピーの愛情論、家族論をやさしく紹介する。
主要目次
I 愛について
1 ロゴセラピーの愛情論
2 愛の次元論
3 精神的な次元における真の愛情
4 問題のある愛情関係
II 家族の意味と価値
1 家族愛の次元的構造
2 「家族」という共同体の意味
3 家族内の意味ある人間関係
III 意味を中心とした夫婦・家族セラピー
1 家族問題の解決の場
2 意味を中心とした家族セラピー
3 意味を中心としたパートナーセラピー
4 健全な家庭生活を送るための基本的な態度
第7巻 神経症のロゴセラピーI
(A5判、136頁、税込定価1,600円)
普段はドイツで暮らす著者が、従来は「反省除去」「脱反省」と訳されていた〈Dereflexion〉に「過剰自己観察消去」というわかりやすい訳語を考え出してくれた。フランクルが考案した神経症治療法として有名な逆説志向と過剰自己観察消去は、単なる技法ではない。自己距離化能力と自己超越能力という「精神」の次元への働きかけなのである。
主要目次
I フランクルによる神経症理論
1 ロゴセラピーの次元的存在論
2 フランクルの神経症分類
3 ロゴセラピーによる3つの神経症治療法
II 逆説志向による治療─不安恐怖症と強迫観念症
1 不安恐怖症の心理構造
2 強迫観念症の治療
III 過剰自己観察(Dereflexion)による治療
1 過剰自己観察(Hyperreflexion)とその問題
2 過剰自己観察によって生じる障害
3 治療の可能性
4 自己観察消去の実際的な適用
5 グループ治療─自己超越能力の強化訓練
6 我を忘れる治療
第8巻 神経症のロゴセラピーII
(A5判、152頁、税込定価1,600円)
神経症は不安恐怖症や強迫観念症ばかりではない。むしろ治療が難しいのはヒステリーなどの反応的神経症や依存症・摂食障害、さらには精神因性のうつ症状である。こうした難治の神経症こそ、ロゴセラピーの本来である精神への働きかけ、「態度変換」が適用される。ナチズムへの反省から生まれた「集団的神経症」の考え方も、時代精神に対抗する個人の自立を要請している。
主要目次
IV 態度変換による治療
─反応的神経症・依存症・摂食障害
1 反応的神経症(ヒステリー症状)の背景
2 態度変換(Einstellungsmodulation)の適用
3 依存症の問題とその治療
4 摂食障害
V 精神因性神経症とうつ症状
1 精神因性神経症の外的な要因
2 精神因性うつ症状の背景
3 精神因性神経症の内的な要因
4 精神因性神経症の治療
VI 集団的神経症とその症状について
1 集団的神経症という現象
2 集団的神経症に相対する心的障害
3 時代精神からの自立
第9巻 ロゴセラピーの会話法/
理想的なロゴセラピスト(E.ルーカス)
(A5判、136頁、税込定価1,600円)
医療や援助に従事する者は、たとえ外科医であっても、患者の「こころの悩み」に応える義務があるが、それは医師の価値観の押しつけではなく、患者の責任性への気づきを導くためである。ロゴセラピーは、身体や心理の〈心身態〉にとらわれない自由な精神に働きかけて、クライアントの意味の発見・実現に関与する方法である。その際に、セラピストの価値観の押しつけは許されない。豊富な事例をもとに、あるべきロゴセラピーの会話法を提示する。付論としてエリザベート・ルーカスの「理想的なロゴセラピスト」を訳出し、ロゴセラピストのあり方を示す。
主要目次
I 医者のメンタルケア
1 医者の倫理的使命
2 患者の責任性自覚
II ロゴセラピーの会話法
1 ソクラテスの対話法
2 ロゴセラピー治療の焦点
III 心理治療の問題
1 医者やセラピストの誤り
2 クライアントの誤り
付論 理想的なロゴセラピスト(エリザベート・ルーカス)
著者略歴
1945年、静岡県御殿場で生まれる。70年、上智大学哲学科修士課程卒業後、ミュンヘン大学博士課程に留学。75年、上智大学哲学科博士課程単位履修後、再度ドイツに渡る。児童音楽教育者ならびに合唱指揮者の資格を取得、ジングシューレ、ムジークシューレなどで全人的な芸術教育に従事。97年、南ドイツ・ロゴセラピー研究所においてロゴセラピーの勉強を始める(エリザベート・ルーカスならびにオットー・チョックに師事)。2000年、ヨーロッパに在住する日本人のための「欧日カウンセリングセンター」を開設(のちにフランクル・カウンセリングセンターと改称)。01年、日本人ロゴセラピスト第一号として、日本でロゴセラピー入門ゼミナールを始める。
共著:『フランクルを学ぶ人のために』山田邦男編、世界思想社
共訳:『意味による癒し ロゴセラピー入門』V.E.フランクル著、山田邦男監訳、春秋社
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