過酷なアウシュビッツ強制収容所を耐え抜いた故V・フランクル博士は、人生において実現できる価値として、@仕事や研究等を通して発揮できる「創造価値」、A愛や美の喜びにより感得できる「体験価値」、B病や災害により創造も体験もできない場合でも人生に対してとり続ける姿勢によって得られる「態度価値」の3つを挙げて「態度価値」に最大の力点を置いている。
しかし現在の日本では、人間関係、仕事、恋愛など、さまざまな悩みをかかえ、傷つき、嘆き悲しんでいるうちに、自分の人生の生きがいをなくしてしまう人も少なくない。
生きがいの喪失自体はそのまま病的なものではないが、放置すると、さまざまな病態の引き金になることがある。
本書は、生きる意欲を失ったり、逆に生きがいを見出すことのできた人びとの実存に、PILテストの窓を通して迫ろうとしている。カウンセリングの場で出会った事例には、経過とカウンセリングの細部までを採録し、メンタルケアのあり方に最適の指針を提供している。
なお、巻末にPILテスト1部が付録となっており、Part-Aの自己診断ができるようになっている。
主要目次
第1章 人生の意味・目的と生き方 佐藤文子
第2章 PILテストは何を測っているか 田中弘子・齋藤俊一
第3章 ケーススタディ 生きがいとPILテスト PIL研究会編
1 大学生たちは、今
2 やっと自分の人生の主人公になれた女子大学生
3 留年の渦から抜け出した男子大学生
4 複雑な生い立ちを背負い、職場不適応を起こした女性
5 働きがいを求めて配転を求め続けた20代男性
6 30歳代、女性も男性も家庭と社会の中心に、しかし
7 酒が原因で、妻子に見捨てられてしまった40代男性
8 60歳を過ぎて、まだまだこれからと言う女医と
定年後、うつ状態に陥ってしまった元女性編集長
9 子供だけが生きがいの老婦人
岡堂哲雄監修 PIL研究会編
四六判 320頁 品切れ、重版未定
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