著者のナイデファーは米軍軍属として来日したことがあり、その時に合気道の修業をおこなっている。合気道師範から「気を集中せよ」と言われたが、「気」の意味がわからず困ったことが本書で紹介されている。
合気道で言う「気の集中」という東洋の精神と西洋の合理性を結びつけられないかとナイデファーは帰国後、大学で心理学の研究に入った。そこで生み出された心理テストがTAIS(Test
of Attentional
and Interpersonal Style、注意・対人スタイル診断テスト)であり、本書で紹介されている呼吸とイメージトレーニングを組み合わせた方法、ACT(Attention
Control Training)である。
本書では、子供がはしゃぎまわるためスーパーに買い物にいけない主婦、町の混雑が恐くてクルマを運転できない主婦、スピーチができない会社役員、営業トークができないセールスマンなど、不安が先だって行動を起こせない実際のケースに対し、TAISとイメージトレーニング、呼吸法を組み合わせた訓練法を適用し、みごとに解決した症例が豊富に示されている。
日本にはさまざまな呼吸法の伝統と流派があるため、訳者が巻末に簡潔な呼吸法の解説を付している。
主要目次
第1章 なぜACTが必要なのか
第2章 ACTの生まれるまで
第3章 注意のコントロールとストレスのコントロールは一緒に進む
第4章 最初のステージ
第5章 ACT─I
第6章 ACT─II
第7章 ACT─III
第8章 ACTの適用例
第9章 よくあるストレス状況への対処法
付 録 もっと知りたい人のために
解 説 呼吸法について 加藤孝義
訳者略歴
1936年 宮城県生まれ
1960年 東北大学文学部心理学科卒
1967年 東北大学大学院文学研究科博士課程中退
東北大学助手、岩手大学教授、東北大学大学院教授などを経て
現 在 東北大学名誉教授
R.M.ナイデファー著 加藤孝義訳
四六判 272頁 定価2,000円(税別、送料300円) 現在、品切れ、重版未定
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